ビットコインの命運握る「アメリカの戦略備蓄案」 1月20日のトランプ大統領就任で構想が動き出す?
ビットコインは、どの国家にも属さない無国籍資産で、その採掘量に上限がある。つまり金と非常に似た性質を持つ。さらに、法定通貨と比較してインフレリスクが低いことが特徴として挙げられる。
そのためビットコインの戦略備蓄をすれば、ドルの購買力が下落するリスクに対するヘッジ手段になると考えているようだ。また、ビットコイン価格が長期的に上昇していけば、増税せずに財政赤字を減らせるとの目算もあるとみられる。
トランプ氏率いる共和党は、議員の約7割が暗号資産による献金を受けているとの報道もある。トランプ氏にとって暗号資産推進は政治的にも戦略的にも理にかなった選択であるといえる。
100万BTCはETFの保有量に迫る規模
アメリカ政府は現在、犯罪者などから押収した約21万BTCを保有している。約19万BTCを持つ中国を上回り「ビットコインを世界でいちばん多く保有する政府」だ。
一方、2024年12月時点でアメリカのビットコイン現物ETFは合計で110万BTC以上を保有するまでになった。このうち最大のビットコイン現物ETFはアメリカの運用会社ブラックロックの販売する「iShares Bitcoin Trust ETF」だ。
仮にアメリカ政府が100万BTCまで備蓄することになれば、ビットコイン価格を押し上げたETFの保有量に迫る規模となる。
アメリカ政府が戦略的備蓄として保有している資産の代表的な例は金(ゴールド)だ。金のように戦略備蓄の対象になれば“デジタルゴールド”と呼ばれるビットコインが同列に並ぶことを意味する。
ビットコインは現在、国際間の戦争・紛争といった国家の枠組みを超えた有事の際に、価格が上昇する傾向がある。一方で、コロナショックや世界同時株安など経済的な有事には、ボラティリティーが高いリスク資産とみなされ、真っ先に売却される傾向があった。
市場に流通するビットコインの量は年々減少している。そのような中でアメリカ政府がビットコインを大量保有することになれば、ビットコインの需給は需要超過となる。端的に言うと市場から売り手がいなくなる。
そうなると価格が上昇する可能性が非常に高い。価格のボラティリティーも低くなり、本物の金に近い存在になると考えられる。
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