ビットコインの命運握る「アメリカの戦略備蓄案」 1月20日のトランプ大統領就任で構想が動き出す?
一方で、法案が制定されなかった場合の情勢も考える必要がある。
過去の例をみると、ビットコインの新規供給量が減る「半減期」が春先にあった2017年と2021年は、共に年末頃に当時の高値をつけた後、翌年はアメリカの金融引き締めによる金利上昇によって急落している。
裏返すと、近年ビットコインが急騰しているのは、アメリカなど先進国の中央銀行が金融緩和を行っている時期だ。
FRBが昨年12月に発表した政策見通しによると、インフレ懸念から利下げの回数を減らすことが見込まれている。インフレ退治の金融引き締めから緩和方向に転じているものの、緩和ペースは遅くなるというわけだ。
ビットコイン価格は昨年12月に10万ドル台から約9万2000ドルにまで下げる局面もあったが、上値期待は根強い。ビットコインの代表的なオプション取引所「Deribit」の市場参加者は、1月末に1BTC=12万ドルに到達する確率を約16%とみている。だが、FRBの金融政策動向には十分に気をつけておこう。
さらに、アメリカでは確定申告期が主に4月と6月にある。前年の利益分の税金を納めるための換金売りが出てくる。「セルインメイ」といわれる5月頃まで市場が軟調な動きになる可能性が高いと考えられる。
アルトコインは市場はどうか
ビットコイン以外の暗号資産を指す「アルトコイン」についても少し触れておこう。
2024年のアルトコイン市場では、SolanaやSuiといった先進的な技術を取り入れたコインが注目された。これらのプロジェクトは、ゲームやDeFi(分散型金融)の分野で広く活用されており、その実用性と技術革新が評価される形で価格が上昇した。
一方で、Doge、SHIBAINU、PEPEといった「ミームコイン」も大幅な価格上昇を記録した。これらはインターネット上で流行するミーム(ジョークや流行の画像、言葉)をテーマにして作られており、話題性やコミュニティの熱狂的な支持を背景に急激に価値を高めた。
それぞれ異なる性質を持つコインが市場を牽引した点は、2024年の暗号資産市場を象徴する特徴であるといえる。ただし、2024年を通じてみると、ビットコイン以上の上昇幅となった銘柄は時価総額50位以内の主要暗号資産銘柄ではほとんど存在しなかった。
アルトコインは下落する際、ビットコインと同時に、しかもビットコインより大きく下がることが多い。アルトコインへの投資は、やはりリスクの高い選択肢といえるだろう。
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