国民・玉木氏をじわじわ追い詰める自民の戦略 対自民の「戦略」「党内ガバナンス」欠如に不安

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そこで、「衆院選後の最大の政治課題」ともなった「壁」引き上げを巡る自公国協議の経緯を子細に検証すると、「各党幹部や情報番組のコメンテーターらが気づかなかった自民の戦略が浮かび上がってくる。その最大のポイントは、11月上旬の特別国会閉幕に合わせた自民税調の新体制づくりだった」(自民長老)とみられている。

確かに、税調新体制が決まったのは11月6日。当然、会長の宮沢氏が森山裕幹事長らと協議して決めたものだが、宮沢氏はまず、それまで「税調インナーのドン」だったが衆院選で落選した税調顧問・甘利明元幹事長の後任に森山氏を指名し、同氏も即座に応じたとされる。

“極秘作戦”は「11・6税調インナー人事」が発端

「現職幹事長の税調顧問就任は過去に例がない」(税調事務局)とされる人事だが、森山・宮沢両氏は他のインナーの顔ぶれについても、新たに小渕優子党組織運動本部長、斎藤健前経済産業相、小林鷹之元経済安保相らを指名した。この顔ぶれについても関係者は「総裁選結果を踏まえて、党内の反石破勢力も取り込んだ巧妙な人事」(同)と指摘する。

確かに、小渕氏は旧茂木派幹部だが茂木氏とは距離があり、小林氏は高市早苗前経済安保相の“弟分”だ。さらに、総裁選で小林氏を担いだ福田達夫幹事長代行も再任したことで、「事実上の挙党態勢の陣容」(同)となったことは間違いない。

森山、宮沢両氏が秘かに画策した「壁」引き上げでの「対玉木戦略」は①まず、財務省にも根回しして低めの回答を提示し、国民民主の反応を見極める②財源不足を理由に最大限の譲歩案を示す③国民民主が納得せざるを得ない引き上げ額を提示する際は、国民民主に税源確保の責任をとらせるーーというのが骨格だったという。

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