資さんうどん、「北九州のうまさ」で狙う列島制覇 創業者の死を越えて、うどん一杯に込めた本気

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
佐藤社長(左)と大井COO(右)。オペレーションの改革、出店地域拡大など、資さんうどんの基礎を磨き直し全国展開につなげた(記者撮影)

そこで、改めて店内作業のマニュアルを作成し、調理や提供の方法、接客の手順まで、細かな点を少しずつ統一していった。

それでもおでんの具材がなくなってしまう。ぼた餅の調理が間に合わない。ホールの片づけや皿洗いも進まない。そんなトラブルは日常茶飯事だったようだ。

そのほか、朝定食の鮭もスタッフがさばくなど、仕込み作業はほぼ各店舗で行っていたが、一部の作業を外部の仕入れに切り替え、効率化を進めた。店舗のキッチンやテーブルなどのレイアウトも統一していった。

こうして数年をかけ、着実にチェーンとしての仕組みを整え、現在の72店まで規模を広げてきた。さまざまな客層に幅広いシーンで利用される資さんの強みは、ファンドの傘下で改めて磨き直したものだった。

「アジアの資さん」になれるか

全国展開にあたっては、マーケティングなどもこれまでと違ったスケールで行う必要がある。また、3年間で140店舗ほどの出店計画を踏まえると、人材の採用や教育についてもスピードが求められる。

資さんは今後、ファミレスからの業態転換に加えて、さらなる拡大も視野に入れている。「ゆくゆくは海外にも出店していきたい」(佐藤社長)。すかいらーくの谷会長も「資さんうどんの甘めの出汁は東南アジアなどで受け入れられる」とみている。

ユニゾン・キャピタル傘下で規模拡大への態勢を整えたように、今度は全国展開、海外進出に向けてすかいらーく傘下で成長を遂げられるか。ここからが本番だ。

金子 弘樹 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

かねこ ひろき / Hiroki Kaneko

横浜市出身で早稲田大学政治経済学部を卒業。2023年4月東洋経済新報社入社。現在は外食業界を担当。食品ロスや排出量取引など環境問題に関心。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事