資さんうどん、「北九州のうまさ」で狙う列島制覇 創業者の死を越えて、うどん一杯に込めた本気

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資さんはすかいらーく傘下でどのように全国展開を進めるのか。すでに関西は大阪や兵庫、広島に出店済み。12月には関東初となる店舗を千葉・八千代市で開店。2025年2月には東京・両国にも出店する予定だ。

出店地域は大幅に広がるが、佐藤崇史社長は「基本的に、大事にしてきた味やサービス、店づくりは変えるつもりはない」と言い切る。うどんはもちろん、これまで積み上げてきた多様なメニューの構成にも自信を持っているようだ。

看板商品の肉ごぼ天うどん。九州特有の柔らかい麺や甘いだしが特徴だ(記者撮影)

一方で、佐藤社長は「店舗のオペレーションはもう一段の進化が必要だ」とも語る。すでに注文用のタブレット端末は全店舗に導入。席を自動で案内するシステムも関西で導入した。新店などで案内が遅いことについて、客からのクレームが多かったからだ。そのほか、キッチンやレジ周りでも改善を進めていく構えだ。

北九州の地元では「資飲み」利用も

今後出店を進める関東圏では、トリドールホールディングスの「丸亀製麺」、吉野家ホールディングスの「はなまるうどん」など、讃岐うどん系のチェーンが人気だ。これらのチェーンはセルフサービスで、手軽に利用できる点で多くの客の支持を得てきた。

資さんが競合と異なる面はいくつかある。まずは席で注文するフルサービスの形式であること。メニューも豊富で、ランチだけでなく、カフェのように利用されることもある。

深夜営業や24時間営業の店舗もあり、アルコールの需要もある。北九州では「資飲み」という名前で親しまれているほどだ。さまざまな客層に、幅広いシーンで利用されていることこそ、資さんの強みといえそうだ。

すかいらーくの谷真会長は「資さんは今後3年間で、現在の3倍の210店舗まで拡大したい」と期待を寄せる。全国展開を進めても、居心地のよさ、使い勝手のよさを武器に集客できるかが、ポイントになるだろう。

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