「えぐい」「やばい」「すごい」に見る言葉の"世代交代" 全部ほぼ同じ意味だが"発展段階"が異なる!

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:なるほど。好きな人か。

長女:そうそう。でも恋愛感情とはたいてい別かな。「最推し」ならthe best of 推しってことだね。よく聞く「推ししか勝たん」は「推ししか勝たない」つまり「推しが最高」ってこと。

:とにかく推しが好きなのがよく伝わったよ。……あ、虎信選手だ。

長女:どこどこ!?  あ、でも待って、あのルーキーの選手もかっこいい。めっちゃイケメン!  今日から推す!

:すぐ目移りする……。

「推し」とは

終止形を連用形にすると名詞として使える。そのことに気づくと、途端に言葉のネットワークが広がります。

「はさむ」ものだから「はさみ」、「流す」場所だから「流し」、「立って食べる」から「立ち食い」、「引き出す」から「引き出し」、「首に飾る」ものは「首飾り」、「物を置く」ところは「物置き」など、動詞から魔法のように名詞を作ることができます。

麻雀用語は、連用形による名詞の巣窟です。「あがり」「当たり」「流れ」「鳴き」「待ち」「決め打ち」「引っかけ」「振り込み」「ツモ切り」「対子落とし」「全突っ張り」など、こうした言葉がなければ麻雀はできないと思うほどです。

「引きが強い」の「引き」もまた麻雀用語ですが、「押しが強い」の「押し」は性格の形容です。

しかし、「推し」となると意味が違います。応援したい対象○○のことを以前は「○○推し」と言っていたものが、単独で使用されるようになったものです。人に勧めるものを「お勧め」と言いますので、「推し」自体が単独使用されても、理屈としてはおかしくないのですが、「推し」にはサブカルの香りがします。そこには、「萌え」や「映え」と共通する感覚があるように感じられます。

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