ワニ脳は3つの反応をすべて危険と結びつけるが、最悪の事態だと解釈するのは、「攻撃」を想起させるボディランゲージだ。このプロセスは、私たちの意識にはまったくのぼらない。顕在意識の反応は、潜在意識よりはるかに遅い。つまり、こちらが攻撃される可能性があるとき、論理的な思考は当てにできない。自分の身を守るには、考えるより先に行動しなくてはならないからだ。
人間に潜在意識の働きが備わっているのは、そのためだ。この働きのおかげで、私たちはすばやく身を守れる。
「腕組み」は威圧のサインを送る
会話中に、相手がボディランゲージをほとんど使わず、身体を少しも動かさず、一本調子で話していたとしよう。これは「凍結」を想起させるふるまいだ。あなたは全身で不安を感じ、その状況を正しく解釈できないだろう。そして、その状況をネガティブに解釈してしまう。
また、相手が顔をそむける、身体を小さく見せる姿勢をとる、といったふるまいを見せたとしよう。頭を下げる、足を組む、などだ。この場合、あなたは無意識に「逃走」を想起する。そのため、相手がポジティブなことを言いながらも、こちらを見ていなかったら、あなたはネガティブに解釈するだろう。
もし相手が威圧的に胸を張ったり、両脚を広げて立ったり、腕を組んだり、大声を出したり、グッと近づいてきたりしたら、それは攻撃を想起させるふるまいだ。私たちは、こうしたふるまいにとても敏感だ。あっという間にワニが目を覚まして、自分の身を守るための攻撃態勢を整える。
これは、人間が絶対に逆らえない生物学的なメカニズムだ。私たちはそのようにできていて、ただこの反応を受け入れるしかない。
会話中に、ネガティブに解釈されるようなボディランゲージを使うと、相手のワニ脳が目を覚ましてしまう。
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