もし一致しなければ、つまり言葉とボディランゲージの意味が矛盾していたら、ワニ脳とサル脳は瞬時に反応する。つまり、言葉とボディランゲージが食い違っているのを見破り、あなたを信用できないと判断するのだ。
ワニとサルは、お目こぼしなどしてくれない。会話の相手は、ヒト脳で不信感を隠しながら、丁重に相づちは打ってくれるかもしれない。でも、ワニとサルが騙だまされたわけではない。
では、このようなボディランゲージを読み取った場合、ワニやサルは私たちにどんな行動をとらせるだろうか?
ワニ脳の反応は「意識」より速い
ワニとサルが、どのようにボディランゲージを読み取るかは、ワニがどんなボディランゲージを使うかを知ればわかる。そのボディランゲージとは、私たちが危険に遭遇したときの反応だ。なぜなら、危険に遭遇したときに反応しているのは、私たちのなかにいるワニだからだ。
私たちが危険にさらされると、あるいは危険の可能性を察知するだけでも、3つの形の反応が生じる。「凍結」「逃走」「闘争」だ。
誰かのボディランゲージが、この3つのどれかを想起させるシグナルをほんの少しでも発していたら、用心しなくてはいけない。これは太古の時代から人類の脳に刷り込まれた警告だ。危険が目の前に迫っている。
じっとしている(凍結)、立ち去る(逃走)、攻撃的になる(闘争)ことを想起させるボディランゲージを見ると、私たちは自動的にネガティブに解釈する。
たとえば、私があなたに背を向けながら話しかけたら、私の言っていることがどんなにポジティブであろうと関係ない。十中八九、あなたは、私の言葉を心から信じることはできないだろう。なぜなら、あなたのワニ脳は、私のボディランゲージのほうを信じるからだ。
このときワニ脳は、あなたが意識するよりも速く、私のボディランゲージに「逃走」を思わせるしぐさが表れていることに気づく。つまり「背を向ける」というしぐさが危険と結びつく。その結果、あなたは、私の言葉をネガティブに解釈する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら