
本村正秀(もとむら・まさひで)/佐川急便社長。1960年生まれ。1980年に東京佐川急便(現・佐川急便)入社。常務取締役、専務取締役を務めた後、退社。タクシー会社「ANZEN Group」社長などを歴任。2018年に佐川急便理事就任、2019年から現職(撮影:ヒダキトモコ)
分断・多極化する世界で、新しい視界を開くことができるか。日本が向かうべき道とは──。本特集では、株式・マネーから日本の政治経済、世界情勢、産業・企業動向、そしてスポーツ・エンタメまで。2025年の注目テーマを徹底解説する。
※2024年12月23日発売の週刊東洋経済「2025年 大予測」に掲載した記事の拡大版です
※2024年12月23日発売の週刊東洋経済「2025年 大予測」に掲載した記事の拡大版です
2024年問題に関連して、業界で価格転嫁を進める重要性を主張してきたのが佐川急便の本村正秀社長だ。現状をどう見ているのか。
──2024年、宅配業界は価格面でかなり厳しい競争環境になりました。
厳しい状況だった。固定費の負担もあるため、多少価格を下げてでも物量を確保したい会社もあったのだろう。しかし今回、当社は値下げの流れにまったく参加しなかった。
顧客の荷物の量によって適正な価格は変わってくる。当社には荷物1個当たりの原価を算出する仕組みがある。出荷量が多くても原価を下回るようなことはしない。適正な料金を払っていただける顧客に対して営業活動を行ってきたし、今もやっている。採算の厳しい仕事は追わない方針だ。それを愚直に続けている。
今は人件費や車両の購入費、燃料費、外注費など、すべてのコストが上昇しており、それらを回収していかなければならない。物量に合わせて拠点間の輸送台数を減らすなど、コストコントロールをしてきた。
ただし、自助努力には限界もある。顧客への価格転嫁も丁寧にお願いしている。
現場の負担軽減を進める
──協力会社との関係づくりや業務の効率化も重要です。
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