退職者による「企業秘密」漏えいを防ぐ4つの方策 「秘密保持契約」を形骸化させてはいけない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そこで本記事前編では、退職者が「企業秘密」を持ち出し、転職先で使用する場合の対応と対策を、後編では転職者が前職の「企業秘密」を持ち込んでくる場合の対応と対策を解説します。

退職者による「企業秘密」の持ち出しを防ぐための方策

退職者が「企業秘密」を持ち出すことを防ぐための方策について、①人的管理、②組織的管理、③物理的管理、④技術的管理の4点から説明します。

(1)人的管理

人的管理とは、退職者に「こういう類の情報は企業秘密に該当する」「企業秘密を持ち出してはいけない」「企業秘密を自社の業務以外の目的で利用してはいけない」などのルールを認識させることです。代表例が、退職者との秘密保持契約の締結(図表)と、退職後の「企業秘密」の取扱いに関する説明の実施です。

(出所:『企業実務10月号』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

①退職者と秘密保持契約を締結する方法

多くの企業が、退職の際に、退職者と「秘密保持契約」を結んでいると思います。しかし、退職の手続きに必要な書類など複数の書類にサインさせるのと同時に行い、秘密保持契約の締結が、流れ作業のようになっている企業は少なくないようです。

特に退職者には、会社に提出してもらう書類が複数あるので、会社(人事部門)が、退職後の守秘義務について説明することもなく、仮に説明しても一言忠告する程度にとどまっていることが多いのではないでしょうか。

これでは、退職者に秘密保持の重要性を認識させることはできず、「人的管理」をしたことになりません。

次ページ「企業秘密」の取扱いの重要性を認識させる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事