破格の1800万円「スカイラインGTS-R」納得の理由【再配信】 800台限定の希少車、GT-Rを名乗れなかった1台
スカイラインGTS-Rは、前述のとおり、全日本ツーリングカー選手権などのレースに参戦するため、日産が1987年に販売した限定仕様車だ。全日本ツーリングカー選手権とは、市販量産車をベースに改造を施した車両で競うレースのこと。自分の愛車、または街中を走るクルマたちが主役ということもあり、若者を中心に、当時のスポーツカー好きを虜(とりこ)にしたモータースポーツだ。
ちなみに日産製スポーツカーとしては、「スカイラインGT-R」のほうが有名だ。中型乗用車のスカイラインをベースに、動力性能を高めることで、数々のレースで活躍。1969年の初代「スカイライン2000GT-R」以来、現行モデル「GT-R」まで、長年、日産を代表するスポーツカーの地位を確立したモデルだといえる。だが、スカイラインGTS-Rが登場した当時、GT-Rは日産のラインナップから消滅していた時期。1989年にR32型スカイラインGT-Rが登場するまでの空白期間に、日産のレース対応車両としての役割を担ったモデルがGTS-Rだ。
ベースになったのは7代目R31スカイライン
ベースとなったのは、1985年にデビューした7代目スカイライン(R31型)。このモデルは、1972年に登場した4代目(C110型)を最後に途絶えていた、6気筒DOHCエンジンを復活させたモデルとして知られている。
発売当初は、スカイライン初の4ドアハードトップと4ドアセダンのみを設定。スポーティな2ドアクーペのGTSシリーズは、1986年に追加された。ちなみに、このGTSシリーズでは、速度が70km/h以上になると、フロントバンパー下から出現するオートスポイラーを装備。世界初となる空力パーツの採用なども大きな話題を呼んだ。
その後、1987年のマイナーチェンジ時に、スカイラインGTS-Rを追加。1985年から1993年まで、全日本ツーリングカー選手権など市販車ベースのレースに採用されていたグループAという国際レギュレーションに適合させたモデルだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら