ジャガーのユニークな「もうひとつのビジネス」 伝説的な車両を後世に残すクラシックワークス

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
イギリス・ウエストミッドランズのコベントリーにある工房を取材した(写真:Jaguar Land Rover)
イギリス・ウエストミッドランズのコベントリーにある工房を取材した(写真:Jaguar Land Rover)

イギリスのジャガー・ランドローバーには、新車にくわえて“もうひとつのビジネス”がある。

「ジャガー・ランドローバー・クラシックワークス」といい、レストアおよび販売、さらに伝説的な車両を保管するものだ。

興味深いのは、クラシックカーをメーカー自身がレストアして販売していること。メーカーであるから当然、街場の専門業者よりも車体、エンジン、足まわり、電気系統、内装など、あらゆる点で知識と経験が豊富。おもしろいビジネスだ。

たとえばMoMAにも収蔵される「Eタイプ」

ジャガー・ランドローバー・クラシックワークスのスタートは2017年。世界的に人気が高いジャガー、ランドローバー、レンジローバー各ブランドのクラシックモデルが、扱う車両の核となっている。

もっとも人気が高いのは、1961年に登場して1975年まで生産されたスポーツカー、ジャガー「Eタイプ」。

歴史的な評価も高いモデルで、すぐれた工業デザインを収蔵するMoMA(ニューヨーク近代美術館)でも、「細身で弾丸のようなシェイプは、スポーツカーデザインにおいてもっとも影響力がありフォロワーを生んだもの」として、収蔵されている。

今回の取材で試乗が叶ったジャガーEタイプ シリーズ1FHC(フィクストヘッド・クーペ)(写真:Jaguar Land Rover)
今回の取材で試乗が叶ったジャガーEタイプ シリーズ1 FHC(フィクストヘッド・クーペ)(写真:Jaguar Land Rover)

どんなフォロワーを生んだかどうかは私には定かではないが、いずれにしても2025年においても、いまだにハッとするスタイリングであることは間違いない。

ロングノーズで、後輪の上にドライバーが座るようなプロポーション。人間にとって原初的に感じるスピード感やパワー感があるんじゃないかと思うぐらい、誰が見ても“いいなぁ!”と感心するボディシェイプをもっている。

最新のスポーツカーもいいけれど、ピュアなスポーツカーデザインを具現化したようなEタイプに「今も乗りたい」と思う人が少なからずいるのは、まったく不思議でない。

【写真】単なるレストア工房にとどまらないジャガー・ランドローバー・クラシックワークスの根幹を見る
次ページオリジナルを保つのも、“普通に乗れる”現代的にするのも
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事