ジャガーのユニークな「もうひとつのビジネス」 伝説的な車両を後世に残すクラシックワークス

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イギリス・ウェストミッドランズのコベントリーがジャガーの本社で、その近くのライトン・オン・ダンズモアに、ジャガー・ランドローバー・クラシックワークスは居を構えている。

ここで古いジャガー車やランドローバー車、レンジローバー車のオーナーにパーツを提供したりレストアしたり、レストアした車両を販売したりしているのだ。

歴史あるクルマが整然と並ぶジャガー・ランドローバー・クラシックワークスの建物(写真:Jaguar Land Rover)
歴史あるクルマが整然と並ぶジャガー・ランドローバー・クラシックワークスの建物(写真:Jaguar Land Rover)

レストアには何種類かあり、オリジナルどおりに直すこともあれば、1960年代初期のクルマを60年後の今も“普通に乗れる”ようにドライブトレインを換装することもある。

ジャガー・ランドローバー・クラシックワークスのウェブサイトで販売されているジャガーEタイプを見ると、「オリジナルの状態をかなりよく保っている」という5.3リッターV型12気筒エンジン搭載の1971年型クーペが、8万9950ポンド(1ポンド195円=約1750万円)で、徹底的にオリジナルの状態を保つためにレストレーションが施された1961年型3.8リッター直列6気筒ロードスターが44万9950ポンド(同・約8770万円)というぐあい。

2024年11月にコベントリーを訪れたとき、ジャガー・ランドローバー・クラシックワークスは、レストアしたEタイプを試乗用に私に用意してくれていた。1965年型のフィクストヘッドクーペで、エンジンは4.2リッター直列6気筒。

エンジンルームの内部まで新車のようにレストアされていた(写真:Jaguar Land Rover)
Eタイプはエンジンルームの内部まで新車のようにレストアされていた(写真:Jaguar Land Rover)

かつての記憶と全然違う!

Eタイプをドライブするのは、実に久しぶりだった。記憶の中では、やわらかめの設定のサスペンションと、少し頼りない印象のステアリング(それが逆に“味”でもある)を持っていた……はずだが、全然違っていた。

一言でいうと、ビシっとしている。まさにいま乗っても、まったく違和感がない。なによりの驚きは、ギアボックスだ。ギアノブに5速まで数字が刻んである。私の記憶では、オリジナルのEタイプは4段マニュアルだったはず。

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