子どもの遊びに必要な「主体性」と「無意味性」 目的がないからこそ身に付く能力

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為末:地域全体で子どもを守る文化が根付いているんですね。

窪田:子どもから目を離すことが許されない社会というか。安全上、絶対に子どもを1人にさせないことが徹底されていました。

だから、子どもたちは自然と外にいる時間が長くなる。その環境のおかげもあり、アメリカでは子どもたちの近視の有病率が低いんです。

為末:それをお聞きすると、やはり日本の都市部で外遊びができない問題は深刻だと感じます。

スポーツ選手は近視になりにくいのか

窪田:最近の研究でも、屋外での活動が近視を抑制することがわかってきました。為末さんはスポーツ選手との接点が多いと思いますが、実際に外で競技をしている選手に近視の人は少ないと思いますか?

近視は病気です
(画像:『近視は病気です』より)

為末:どうなんでしょう(笑)。調べたことがないので、正確な数字はわからないのですが、もともと競技のパフォーマンスに影響するので、近視は少ない傾向にあるかもしれません。あくまで私の肌感覚ですが、一般の人よりは少ないのではないかと思います。

窪田:日本全体で見ると、ここ20~30年で近視が倍増しているんです。小学校ではメガネをかけている子どもたちが増えています。

為末:そう言われると、メガネの選手が増えているという感じは特にしないですね。

窪田:おそらく、陸上選手は特に幼少期から外に出ている時間が長いので、近視が抑制されているのだと思います。

為末:おもしろいですね。データを取って、調べてみたいです。

窪田:それはぜひやりましょう。子ども時代に陸上やサッカーなどの屋外競技をしていた人と、外での活動を何もしていなかった人を比べたら、はっきり差が出るはずです。

外遊び時間を増やすために親ができること

窪田第1回で、なかなか外遊びがしづらい現状についてお聞きしましたが、お子さんの外遊び時間を増やすために、親御さんにできることは何でしょう?

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