2025年も東証改革による日本株上昇を期待する 資本コストや株価を意識した会社は上々の成果

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それによると、具体的には青色が「開示済み」で+27.89%(1310社)、水色が「検討中」で+14.03%(124社)、グレーが「未開示」で+13.99%(197社)。赤色がお手本となる投資家目線の事例集掲載企業(43社)だが、株価のパフォーマンスは+49.95%だ。お手本として取り上げられている企業とその他の企業では、圧倒的な差になっているのがわかる。

一方、東証は「投資者の目線とギャップのある事例」では、18ページにわたって、国内外の300社を超える投資者のヒアリングを元にまとめている。これから改革に取り組む、あるいは取り組んでいる企業は、この事例を参考にして、取り組みの状況に応じて生じやすいギャップ(要はダメな開示)と見比べて、自社(各上場会社ごと)の取り組みを点検することから作業を始めることになる。

東証による「3つの区分」とは?

東証によると、ダメな開示には以下の「3つのレベル」があるとする。

  • レベル1は、現状分析や取り組みの検討が十分でない状況
  • レベル2は、現状分析や取り組みの内容が投資者に評価されていない状況
  • レベル3は、投資者から一定の評価を得たうえで、さらなる向上が求められる状況

最悪なレベル1の具体例は、現状分析・評価が表面的な内容にとどまる。取り組みを並べるだけの開示となっている。合理的な理由もなく、取締役や社外取締役などが対話に応じない。

レベル2の具体例は、現状分析が投資者の目線とズレている。目指すバランスシートやキャピタルアロケーション方針が十分に検討されていない。目標設定が投資者の目線とズレている。課題の分析や追加的な対応の検討を機動的に行わない。

レベル3の具体例は、不採算事業の縮小・撤退の検討が十分に行われていない。業績連動の役員報酬が、中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブとなっていない。対話の実施状況の開示が具体性に欠ける。

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