2025年も東証改革による日本株上昇を期待する 資本コストや株価を意識した会社は上々の成果
東京証券取引所が、プライムとスタンダード市場のすべての上場会社を対象に、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を要請したのは、2023年3月のことだった。
「上場会社の質」を一段と重視する東証
あれからすでに2年弱が経過しようとしているが、今年の8月、東証の山道裕己(やまじ・ひろみ)CEOは、あえて「改革はまだ始まったばかり」と話すと同時に、上場企業の「量」(上場企業数)ではなく、「質」(流通時価総額)を追う姿勢を改めて示した。
また、2月、東証はこうした経営改革を検討している企業への参考として「投資者の視点を踏まえたポイント」と「事例集(プライム市場編、スタンダード市場編)」を公表している。
そのうえで、11月21日には「投資者の視点を踏まえたポイント」と「事例集(プライム市場編、スタンダード市場編)」に、新たなポイントや事例等を追加した。その一方で、「投資者の目線とギャップのある事例」などを新規に公表した。
山道CEOは、以下のような趣旨の説明をしている。資本コスト経営については、東証プライム市場の開示状況は10月末で88%まで来た。だが、内容は投資家の目線とまだズレがあるという指摘もあるので、改革には継続的な企業サポートが重要であり、匿名ではあるが、上場企業に自社の取り組み点検を促す意味でも、事例を挙げた。
東証は、年明けからはいよいよ開示企業リストの改良も行う構えだ。資本コストや株価を意識した経営について、より実効性があがるように継続的に取り組む姿勢を明確にしている。
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