上場維持基準に達しない企業が、「できることは何でもやる」という姿勢でプライム市場残留にこぎ着けた。地道に積み重ねた「全方位」作戦に迫る。
「残り2年半」。東京証券取引所に上場する企業は、否が応でもタイムリミットを意識せざるをえない。
2023年4月に、東証は新たな「上場維持基準」を施行した。3月期決算企業の場合、2026年3月末時点で時価総額や流動性が基準に適合しないと、上場廃止予備軍である監理銘柄に指定される。なおも改善が見られなければ、最短で同年10月1日にも上場廃止となるのだ。
そんな中、上場維持基準の項目を劇的に改善した企業がある。経営支援を手がけるタナベコンサルティンググループ(TCG)だ。旧東証一部からプライム市場への移行当初は時価総額や売買代金の基準が未達だったが、この9月末に適合を果たした。できることは何でもやる、地道な施策の積み重ねが実を結んだ。
【連載一覧】
第1回:10月16日(月)配信 半年で177社退場!東証プライム「荒療治」の余波
第2回:10月17日(火)配信 独自算出、東証プライム「不適合」企業ランキング
第3回:10月18日(水)配信 スタンダード市場に「上場廃止ラッシュ」の足音
第4回:10月19日(木)配信 東証スタンダード「上場廃止予備軍」140社の実名
老舗企業の残留を懸けた戦略
1957年創業の老舗コンサル会社はこの2年間、プライム市場への残留を懸けて、「全方位戦略」(TCGの若松孝彦社長)を進めてきた。
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