森山幹事長「石破総理はやはり異色の政治家」だ 選挙は負けすぎたが少数与党には良い面もある

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塩田 石破首相は政権運営と政策運営で何に重点を置いてやっていく考えでしょうか。

森山 それは外交でしょう。

塩田 石破首相の外交手腕は。

森山 デビュー戦はよかったんじゃないですか。中国との関係がどうなるか。アメリカでドナルド・トランプ大統領が再登場されて、どうなるか、それを読むのが非常に難しい。

塩田 石破首相は自他共に認める「安全保障・軍事の専門家」ですが、外交の分野は未知数ではないかと思います。心配はありませんか。

森山 全然ないです。一人でやるわけじゃありません。外交は今までの積み上げがあり、その延長線上の話ですから。

塩田 国民は経済政策に期待しています。石破首相は独自の「イシバノミクス」の路線を打ち出していくのでしょうか。

森山 デフレからの脱却のために、安倍政権がいろいろな政策を打ち、菅政権、岸田政権とつないできています。デフレからの脱却はまずやらなければ、と思います。国内総生産がこんなに落ちてはまずいなあと思います。同じ自民党政権ですから、総理が代わったからといって、経済政策がぐるっと変わるものではないと思います。

人生の中で今が一番忙しい

塩田 幹事長になって2カ月が過ぎました。日々の生活にどんな変化がありましたか。

森山 忙しい仕事です。人生の中で今が一番忙しいですね(笑)。休みはありません。それは50年やっていますから、慣れていますが。

塩田 幹事長が終わった後、将来、政治家としてやっていきたいことは。

森山 まあ、いつまでやるか分かりませんが、元気に政治生活を終わりたいなと。

塩田 「終わりたい」ということでなく、政治家としてのこれからの目標は何ですか。ひょっとしたら、「ポスト石破」を目指すとか。

森山 ばかなこと言ったらだめですよ。自分の能力は自分でよく分かっています。能力の及ばないことをするわけにはいきません。

塩田 その能力とは。

森山 今、申し上げたとおり、理念としては民主的に選ばれた人たちの集まりですから、合意の世界を作っていくのが大事なことだと思っています。

塩田 幹事長就任後、多忙の中で苦難の毎日が続いていると思いますが、一番うれしかったことは。

森山 2カ月前に初めてひ孫が生まれたんです。孫とも違って、これが可愛い。元気の源です。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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