サブウェイ「ワタミによる買収」が納得しかない訳 「体験型飲食」として実は高いポテンシャルがある

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(a)「美味しさ」×「健康」と(b)「体験型飲食」、この2点において、サブウェイは、適切な方向で店舗戦略を整えていけば、飲食業界の中で強いインパクトを持つだろう。

ワタミがここまで考えているのかどうかはわからないし、O氏の提言が正しいのかも現時点ではわからないが、「飲食業」が伸び悩む同社の軸としては、サブウェイは確かに期待ができると思う。

さらに、ワタミは、韓国のチキンブランドであるbb.q オリーブチキンカフェの日本展開も手がけている。あまり知られていないが、ファストフードの知見も貯めてきたのである。

その意味でも、サブウェイを望ましい方向に導くことができるかもしれない。

ワタミの厳しさに、サブウェイの展開はうまくハマるか?

先ほども述べた通り、従来の居酒屋業態は厳しい局面に置かれている。ワタミ自体が焼肉屋を手がけるなど、いわゆる単品品目に特化したカテゴリーキラーの方が強く、「なんでもあるが、あまり食べたいものもない」居酒屋が淘汰されつつあると見ることもできる。

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また、居酒屋の中でも「新時代」のような激安路線の居酒屋と、「KICHIRI」のようにチェーンながら上質な空間と食を提供する高級路線の居酒屋の二極化が進んでいる。

その中で若干中途半端な位置に「ワタミ」をはじめとする居酒屋チェーンが置かれていることも指摘できる。

いずれにしても、従来の居酒屋業態は時代遅れになりつつある。

そんな中でのサブウェイの買収は、先ほども指摘した通り、うまく運べば時代にマッチする可能性はある。買収したサブウェイをどのように運営していくのか、そこで今後のワタミの成否も大きく変わるだろう。

前回の記事はこちら:ワタミの「サブウェイ買収」に見る居酒屋の"衰退" コロナを経て、飲み会はすっかり過去の文化に?

谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

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