ベトナムの超人気ピザ4P’s日本上陸までの道程 「ピザで世界に変化を」日本人が40店舗を経営

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Pizza4P’sTOKYO
店内ではチーズを作る工程を見ることができる(撮影:尾形文繁)

シグネチャーピザは同店のメニューの一例で、ピザ12種類のほか前菜やサラダ、パスタやリゾットなどが並ぶ。がっつりメニューというよりは、野菜を中心とした品ぞろえだ。

ベトナムらしさは、艶のある木造りのいす、藍染の布などを使った内装などに見て取れる。

Pizza 4P’s、いったいどんなブランドなのだろうか。

宣伝は一切行わず、口コミで評判が広がる

実は飲食チェーンとしては異色の成り立ちでここまで展開してきている。

立ち上げたのは、メディア事業やネット広告事業などを事業とするサイバーエージェント出身の益子陽介氏。日本在住時にピザ窯でホームパーティを開いていた体験をルーツに、ピザを囲んでのピースフルなひとときを世界の人とシェアしたいという思いから事業を開始した。

宣伝は一切行わないものの口コミで評判が広がり、国際的なメディアにも取り上げられるようになった。2015年にハノイに2号店をオープンして以降一気に展開を拡大してきている。

現在は、グローバルの運営をシンガポールに拠点を置く4P’S Holdingsが手掛け、各国の店舗運営は現地子会社が行う。

同ブランドが目指すのは共感や思いやり、ワンネス(すべてはつながっていて一つである)。世界的、そして国としての課題について、飲食を通じて広く共有し、行動変容を促すのが、ブランドにおけるミッションだ。

生産者の顔が見えるオーガニックな食材を使い、内装の家具や小物に至るまでストーリーのある品をそろえているのは、サスティナビリティを目的としているからでもあるが、事業を通じてさまざまなプレイヤーがつながりを持ち、課題を一緒に解決していくという、事業方針からである。

例えばカンボジアの課題はゴミ問題。そこでカンボジアの店舗ではゼロウェイストの店舗とし、店舗でのリサイクル率91.1%を達成している(2022年度)。ルッコラの茎からつくられたクラフトジンなど、商品も生まれた。

2020年の世界平和の日のイベントでは、敵対する国同士の代表素材を一つのピザにのせてメニューでメッセージを発信している。

次ページブランドの方針は「店のコンセプトを各国で変える」こと
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