――とは言っても、農園での就労は障害者のキャリアアップにならないのでは?
障害の程度によって能力開発のフェーズは全然違う。コミュニケーションを上手に取れなかった人があいさつする。引きこもってゲームばかりしていた人が毎日出勤する。農作業を通して見られる、こうした変化もすごい「キャリアアップ」ではないか。
そのまま農家に転身したり、企業側に誘われて本社勤務になったりする例もある。ただ、知的障害者の中には、安定して農園で働き続けたいという人も多い。健常者の誰もが管理職への昇進を望むわけではないのと同様に、障害者雇用でも当事者の意思を踏まえてキャリアを論じるべきだ。
「丸投げしたい」企業とは契約しない
――農園の利用企業は「雇用率を金で買っている」とも指摘されます。
お金は払うので障害者雇用を丸投げしたい、という話が来ないわけではない。ただ、当社はそういう相手とはいっさい契約しない。創業時からのポリシーだ。まだ赤字だったころ、喉から手が出るほど受注が欲しくても、これだけは貫いてきた。
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