平成不況の本質 雇用と金融から考える 大瀧雅之著
個人がネットワークなしに生活できるという「反社会的」な経済構造の変化や議論が横行していると著者は言う。
「反社会的」な所作の一つが「若者被害者・年配加害者論」。空虚な構図の下で、単に世代間の対立をあおっただけと。「リフレ論」は、デフレが不況の原因であり、それは金融政策の誤りに帰着すると主張するが、超緩和金融政策でインフレが起こるのか不分明なうえに、貨幣固有の価値を認めないナンセンスな貨幣数量説に依拠し、ハイパーインフレという「反社会的」な現象を呼び込むとも指摘する。
誤った経済理論、あやふやな統計手法を払いのけると、日本経済のこの20年がどのように見えるか、今後いかにあるべきかを明らかにする。
岩波新書 735円
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