美容医療界で増える「直美」問題はどこにあるのか 「未熟な医師の施術」がトラブルの大きな要因に

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――美容医療もリスクがあることを知っておく必要がありそうです。

美容医療は病気の人を治す医療ではなく、健康な体にメスを入れて、気にしている容姿を本人の望む形にすることを目的とする医療です。

ですので、死亡事故のような失敗は許されないと思っています。僕自身の信念としても、もし1件でも死亡事故を出したら、引退するつもりでやっています。

――国民生活センターに集まる相談件数も近年、増加しています。

美容クリニックの数が増えるなか、直美の医師など、トレーニングを十分に受けていない未熟な医師も増加しているので、これもトラブルの大きな原因になっていると感じます。

「トラブル件数は報告数よりも多い」

――日本美容医療協会が公開オンライン相談室を実施したところ、起こりえるリスクやダウンタイム(施術後の腫れなどが治まるまでの時間)の説明がないとか、想定された金額と異なる金額が提示されて契約してしまったとか、そういう相談も多いようです。

そのほかには、手術後に「イメージしていたのと仕上がりのデザインが違う」「仕上がりに満足できない」などのクレームもよくあります。

実際に何か問題があってもクレームを入れない人も多いので、実際のトラブル件数は、報告されている数よりもはるかに多いと思います。

――健全な美容医療業界にするには、何が必要でしょうか?

美容医療は本来、多くの人に自信や幸福を与えることができる技術だと僕は思っています。

見た目の仕上がりを重視する診療科ですから、手先の器用さ、美的センスなども必要ですが、医師としての豊富な経験とスキルによって安全な施術ができますし、万全なアフターケアも可能になります。

健全な美容医療界を目指すためにはやはり、形成外科で専門医資格を取得した医師が美容医療を行うべきだと思います。

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