美容医療界で増える「直美」問題はどこにあるのか 「未熟な医師の施術」がトラブルの大きな要因に

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――直美は何が問題なのでしょうか。

直美の医師は、初期研修の経験だけで美容医療に来るので、医師としての十分なトレーニングや経験が足りず、美容医療に必要な知識やスキルも身に付いていません。それで問題が起こることが危惧されます。

自分だけの“美しさ”や“理想の姿”を求める患者さんが多いので、少しの失敗や不満足な結果が、患者さんとの信頼関係の破綻やクレームにつながることも珍しくありません。だからこそ、医師には確かな技術と豊富な経験が求められます。

研修を終えたばかりの直美のような若手医師では、こうした期待に応えるのは非常に難しく、安全性を損なうリスクも高いので問題なのです。

スキルや経験豊富な医師の対応が必要

――話は変わりますが、今年初めに大阪の美容クリニックで死亡事故が起こったことが報じられました。

報道によると、あの事故は、あご下の脂肪吸引後、顔と首に内出血が生じ、気道が塞がれたことによる窒息死でした。

手術後に顔や首が内出血で腫れていたなら、医師は本来であれば、窒息死するおそれを認識して、適切な医療措置を受けるよう対処するべきだったのに怠ってしまったと考えられます。

高須幹弥医師(写真:本人提供)

万が一、気道閉塞が起こったとしても、気道挿管(気道に空気を通す管を入れる対応)、気管切開(気管を切開してそこから空気を通す管を入れる対応)などの迅速で適切な応急処置を行えば、死亡事故は防げたはずです。

やはり、あごを削るような施術や、あご下の脂肪吸引など、腫れると窒息などにつながる部分の施術はリスクも高い。手術中に行う静脈麻酔でも、麻酔の量を間違えると、患者さんの呼吸が止まってしまうリスクがあります。

高リスクな施術は、麻酔管理能力も含め、スキルや経験の豊富な医師による対応が必要です。

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