「既存メディアVSネット」で見落とす"大事な視点" マスコミは偏向、SNS情報こそ真実は正しいのか
これらを踏まえて申し上げたいのは、落ち着いてよく考えてほしい、ということです。
そもそも、この世には「たったひとつの真実」など存在しません。当然「真実を伝える唯一のメディア」も存在しません。
幅広い情報に接して、それぞれを批判的に吸収する、有り体にいえば「すべてを疑う」ことがメディアリテラシーの基本です。
「疑う」とは無論、「すべてをウソだと思え」ということではありません。「どんなメディアも『中立』ではありえず、誤りや意図的な誘導が含まれている可能性がある」と知っておくことが大切でしょう。もっと簡潔にいえば「どんな情報も割り引いて考える必要がある」ということです。
繰り返しになりますが、ネットと既存メディアの2択で「どちらかに『真実』がある」と決めつけるのはいちばんよくないことです。
さて、そうなると問題は「割引率」です。それぞれのメディアはどれくらい信頼できるのでしょうか。
「信頼できる」けど「読まれない」新聞
総務省のアンケート調査によると、「政治・経済問題」について最も信頼度が高いメディアは新聞です。「非常に信頼できる」と「ある程度信頼できる」の合計は83.8と非常に高い。テレビも78.8%と高水準です。(出所:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査)
ネット情報では、「インターネットニュースサイト」が59.5%と比較的高い信頼度を得ています。ただ、この中には新聞社や通信社、出版社などが運営するメディアや、既存メディアのニュースのまとめを主軸とするキュレーションサイトも含まれています。
ネット独自の情報源である「ソーシャルメディア」の信頼度は27.6%、「動画配信・動画共有サイト」は21.8%にとどまります。
ざっくりまとめると、既存メディアはおおむね信頼できて、YouTubeなどの動画サイトは「眉唾」だと思われている状況です。これは多くの人の肌感覚に合うのではないでしょうか。
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