「既存メディアVSネット」で見落とす"大事な視点" マスコミは偏向、SNS情報こそ真実は正しいのか
一方、平日のメディア別利用時間を見ると、ネットの1日平均194.2分に対して、新聞はわずか5.2分と大きな差があります。20代から50代では、そもそも新聞を読んでいる人はマイノリティーです。情報源としての重要度は新聞の44.3%に対してネットは81.5%と、ネットの存在感は圧倒的です。
ここから、浮かび上がってくるのは「ネットより信頼できそうだけれど、わざわざ新聞を読む気にはならない」という平均像です。
私が提案したいのは「ネットやSNSだけじゃなく、新聞くらい読もうよ」ということです。そして、どちらも批判的に読もうよ、ということです。
真実と嘘が入り交じる
どちらにも、いくらかの本当といくらかのウソが混じっている。既存メディアにも誤報はあります。とんでもない大誤報だってある。でも、ほとんどの場合、ウソの割合はネット情報のほうが圧倒的に高いでしょう。
玉石混淆という言葉がありますが、感覚的には「玉石石石混淆」といったところではないでしょうか。もっとたくさん「石」を追加したいところですが、見苦しいので控えます。
ネットには既存メディアには出てこない専門家が唸るような解説もあります。でも、そうした「玉」と、出所不明の未確認情報や世論誘導を狙ったデマといった「石」まで、等価に並んでいるのがネットの世界です。
そんなごった煮から質の高い情報を見極め、「石」は適度に割り引くという作業には、相当高いリテラシーが求められます。多様なメディアに接して訓練を積まなければ、簡単に「石」につまずいてしまうのです。
信頼できるメディアを「マスゴミ」と蔑んで遠ざけることに快感を覚え、「つまずきの石」だらけの道を突っ走れば、メディアリテラシーを身につける機会はますます遠のくでしょう。
最近の選挙戦を巡るSNSの影響力の高まりは、そんな落とし穴にハマっている人が急増しているのを示しているのかもしれません。
自分の情報収集のバランスが取れているのかをチェックするためにも、今こそ新聞の価値を見直してみてはどうでしょうか。
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