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半導体のラピダスはこのままでは99.7%失敗する 成功するためにはいったい何をすればいいのか

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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11月中にもまとめられる経済対策では「半導体支援計画」が1つの目玉になりそうだ。だが筆者は「ほとんど失敗する可能性が高い」と警告する(写真:ブルームバーグ)

またしても、日本政府は「必ず失敗するプロジェクト」に4兆円以上とも言われる資金を投入しようとしているようだ。最先端の半導体量産(2027年)を目指すラピダスだ。

「ラピダスが苦戦する」と考える「3つの理由」とは?

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします)。記事の一覧はこちら

筆者が「失敗する」と断言する理由は、それこそ山のようにある。まず、場所(北海道千歳市)が悪い。輸送コストもかかり、人材など半導体関連のリソースも少ない。半導体製造に向く水質でない。なぜ、そんなところに作ったのだろうか。政治的理由からだろう。ほぼ失敗確定である。しかし、場所の問題という次元ではない。どこに作っても失敗必然だろう。

第2に、提携先がよくない。すでに勝ちが確定している企業ではない。ファウンドリー(受託製造企業)中心とするならば、提携先はすでに勝ち組となっているか、圧勝確定の相手でなくてはならない。

さらにいえば、提携先がいる時点で負けである。ファウンドリーの良いところは、製造に特化しているから、すべての企業の設計の半導体を受注できる可能性のあることだ。だから、結果的に必ず勝ち組と組むことになる。半導体の競争は激しいし、流行も移ろう。

半導体では、インテルが没落し、エヌビディアが絶頂を謳歌しているが、数年後にはまったく変わっているだろう。誰が絶頂かはわからないが、変わっていることだけはわかる。

誰が勝つかわからないから、研究と開発と製造とが、それぞれ分離したのだから、提携してしまっては、意味がない。インテルが没落したのは、両方やろうとしたからだ。もちろん、10年後には、もう一度、分離ではなく、垂直統合が流行になっているかもしれない。しかし、分離してファウンドリーにしたり、研究あるいは開発に特化したりするのは、少しでも流行に左右されないようにする、当面10年間の防衛戦略だ。

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