「働く外国人」職場でモヤッとした時の付き合い方 舌打ちするベトナム人を叱ってはいけない理由

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ただ、目に見えている言動や態度だけで、相手を評価するのは間違いのモトです。どんな人でも、「価値観」「生活習慣」「信仰」といった要素を内面に秘めているからです。

こういった点がわからないと、相手を正しく評価することはできません。特に異文化の相手は、こうした要素が自分たちとずいぶん違っているので注意が必要です。

このさまを氷山になぞらえたのが、アメリカの文化人類学者エドワード・ホールが提唱した「文化の氷山モデル」です。水面上の部分が「言葉」や「態度」、水面下の部分が「価値観」「生活習慣」「信仰」といった要素になります。割合としては、目に見えない後者のほうが断然大きいです。

文化の氷山モデル
(画像:『今日も異文化の壁と闘ってます』より)

「氷山の形状が異文化コミュニケーションを説明するのにうってつけ」と言ったのは、ここに理由があります。

異文化の相手の場合、この水面下の部分を理解しないまま、水面上の部分だけですべてを判断すると必ず評価を間違えます。

舌打ちする相手を責めていけない

1つ、具体的な例をお話ししましょう。

初めてベトナム人と接したとき、会話中にやたら舌打ちをされるので、面食らうことがあります。「自分は普通に接しているのに、なんで彼は舌打ちをするんだ?」と、相手をいぶかしく思う場面がきっとあるはずです。

ただベトナム人は、つねにネガティブな意味合いで舌打ちをしているわけじゃないんです。おいしい料理を食べたときや、きれいな景色を観たとき、サッカーの試合で選手が好プレーをしたときにも舌打ちをします。「うわー、すげー、ヤバい」という意味で、「チッ、チッ」と舌を鳴らすのです。

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