──街中で外国人を見かけることが多くなりました。
コロナ禍前は日本人の人口減少の4割を補う形で在留外国人が増えていました。直近1年間でも日本人の人口減少80万人に対して、外国人は31万人増加しています。
しかし、政府はこれまで移民受け入れを表明したことがありません。日本以外の先進国は、言語力や職務経験に基づき活躍が見込める人たちを受け入れる、という移民政策を打ち出すことで、人口維持と経済発展を目指しています。それに比べ、日本は外国人を一時的な労働力として受け入れるも、移民はタブー視されてきました。
2010年代ごろには、永住者の地方参政権をめぐる政治論争や、中国、韓国との間の領土問題もあり、移民政策をとると日本が中国人に乗っ取られるという議論やヘイトスピーチが横行しました。移民への誤った認識によってタブー化が強まっていったのです。
政府はすでに外国人の定着を図る政策を始めていますが、一部の保守層の移民への拒絶反応を恐れ、「移民政策をとらない」という看板は降ろせずにいます。「移民ジレンマ」と呼べる状況です。
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