
為末 大(ためすえ・だい)/元陸上選手。1978年生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者。執筆活動や、身体に関わるプロジェクトなどを行う。『走る哲学』『諦める力』など著書多数。(撮影:尾形文繁)
人が成長するとき、その人の内側では何が起きているのか。「走る哲学者」が、自身の経験からつかんだ学習論。
──『Winning Alone』や『諦める力』など多くの本を出版されていますが、今回は初めてご自身で文章を執筆されたそうですね。
上達や学習は僕にとって大事なテーマで、いつか1冊にまとめたいと思い続けてきました。競技から退いて10年経つ中で徐々に構想が固まり、今がそのときかもしれない、今なら書けそうだ、と。
個人的な夢もありました。宮本武蔵が剣術の奥義を記した『五輪書』のような本を書く。僕が陸上競技で経験したことや、その後出会った多彩な熟達者との対話から得たものの、いわば集大成です。
もう1つあったのが、「学びのプロセス」と「人間の探求」をセットで提示したいという思いです。高度な技術を獲得するための学習と、自分という人間自体を高めていくことは、無関係の事象ではなく実は同時に起こっているのではないか。この感覚を、誰もが使える学習論に組み込もうと考えました。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
トピックボードAD
有料会員限定記事
連載一覧
連載一覧はこちら
ログインはこちら