50・60代なら押さえたい新NISA「リスクの取り方」 退職金を「同じ金融商品へ一括投資」は絶対ダメ

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●ネット広告に惑わされない

ネット証券などで気をつける必要があるのは、ポップアップなどでお知らせされるキャンペーンです。キャッシュバックや、ポイントアップのキャンペーンに誘導されて、意図しない金融商品を保有してしまう可能性に注意が必要です。

また、新NISA対象の商品ではありませんが、初心者の長期運用に向かないFXなどの金融商品や、見た目の利率はよいものの実はリスクが高い、いわゆる「仕組債」などが手軽に購入できてしまうのも怖いところです。たまたま開いたページに甘い言葉があっても、惑わされないようにしてください。

●理解不足は大損につながる

50代・60代になると、退職金や遺産相続といった、まとまったお金を手にする機会があります。そんなときによくありがちな過ちは、投資する目的も定まらない中、自分が理解できない、リスクの高い商品に投資をしてしまうことです。

新NISA対象外の金融商品ですが、仮想通貨やFX、仕組債、保険商品などは、中身の実態や仕組み、注意点が初心者にはなかなか理解できないのが普通です。リスクが低くて利率が高いように見えて、中身は複雑でリスクが高いケースもあります。

こうした商品に投資することがすべて悪いわけではありません。投資の目的がはっきりしていて、それを実現するためであれば、投資する商品の中身を吟味して、自分が理解できる範囲でリスクを取ることは、むしろ投資の本質といえます。

しかし、投資の目的が明確でなく、他人に勧められるがままに高リスクの商品を購入したり、流行りに乗ってなんとなくはじめてしまうと、いざ損失の懸念が高まった時に正しい判断ができず、損を膨らませる可能性が高くなります。

理解したうえで投資を

低コストの商品に投資することについても、賛否あります。

確かにコストは低いほうがよいですが、信託報酬の高いアクティブファンドの中には、コストを考えても、インデックスファンドより優秀な運用成果をあげている商品もあります。

すべての人にとって、またあらゆる状況でベストな投資方法は存在しないのです。得た情報をもとに中身を理解し、それが自分にとって必要か、今後状況が変わったらどうなるかを自分の頭で考えて投資することを忘れてはいけません。

●内容が理解できなければ投資しない!

投資する目的を明確にし、商品内容をしっかり理解して投資を行うことが、リスクの抑制につながります。

理解していないと、いざという時の判断ができません。

老後に向けた資産形成に、その商品は本当に適切かどうか、しっかりと考えて、購入を決めましょう。迷ったら、購入をやめるということも、大切な判断です。

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