新発売「iMac」と「Mac mini」1週間使ってみた結果 あらゆる動作が3〜5倍以上速くなったと感じる

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しかし、AIでの文字起こしも、長い時間のビデオとなると時間がかかる。

そこで、昨年2023年に購入したデスクトップ、M2 Maxとメモリ64GBを搭載したMac Studioと、M4 Proとメモリ48GBを搭載するMac miniで、2時間のYouTubeライブ配信のビデオの文字起こしを行ってみた。

その結果は以下の通りだった。

・M2 Max 7分23秒(443秒)
・M4 Pro 4分52秒(292秒)

M4 ProのMac miniが、M2 MaxのMac Studioより1.5倍、高速に、AI文字起こしの処理を終了させた。時間にして2分半の短縮。

このあとテキストベースの動画編集の作業は30分となるため、8%ほどの作業時間短縮効果があった。

日本・日本語環境ではApple Intelligenceが利用できない。それでも、現段階において、AIの処理性能は、非常に重要だと考えている。

今回例示したアドビの写真・グラフィック・ビデオ編集のアプリケーションや、アップルによる買収が明らかとなった写真編集アプリのPixelmatorなど、手元のコンピュータでAI処理を行うアプリが増加し、手元のマシンの上でAI処理を使う機会も増えている。

Mac miniのM4 Proチップは、AIを含む広範なクリエイティブ作業においても、十分な性能を発揮してくれる製品、と位置づけることができる。

心をざわつかせる新製品

M4ファミリーを搭載するデスクトップのMacは、いずれのモデルも非常に魅力的な製品と仕上がった。とにかく目立つのが、ベースモデルとなるM4チップの性能の向上だ。

インテルチップの製品を使っている人からすれば、あらゆる動作が3〜5倍、あるいはそれ以上の性能を発揮することになるだろう。そしてM1チップをはじめとするアップル設計のチップを搭載するMacをすでに使っている人にとっては、ちょっとした何気ない動作からして「なんか速い」と体感でき、アプリで重たい処理をすれば、生産性向上につながる高速化がもたらされる。

悩ましいのは、そうした高速化が、2023年に登場したiMac(M3モデル)や、Mac Studio(M2 Maxモデル)ですら経験できた、という点だ。個人的には、M2 MaxのMac Studioを急いで買い換えることはないはずだが、正直なところ、入れ替えに悩む。上位のモデルに当たるMac Studioに対して価格が半額程度に抑えられるM4 Pro搭載のMac miniが、それだけ魅力的であることを表している。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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