身寄りなし76歳が「孤独死」を覚悟した凄絶背景 単身世帯4割、誰もが「孤独難民」になりうる
康夫は5年前、突然病に倒れ、今も後遺症に苦しむ。高齢の母以外には、遠方に暮らす親戚しか血縁者がいない。「同世代の家族が欲しいという思いがあった」と言う。
そして、一度も会ったことのない妹を捜し始めた。幼少期に母親と離婚した父親には、再婚相手との間に娘がいることを知っていたからだ。司法書士に依頼し、妹の名前を知ることができたが、居場所までは突き止められなかった。
キャサリンから友達申請が来たのは、妹捜しを諦めたときだった。康夫は「美人なので下心もあったが、孤児として生きてきた女性を助けてあげたいという気持ちもあった」と振り返る。病を機に膨らんだ孤独感に付け込まれた形だ。
家族がいないのは自己責任ではない
冒頭の芳子も康夫も、頼れる家族がいないのは本人たちの責任だろうか。単身世帯が4割に迫り、家族ありきの社会システムはすでに限界を迎えている。このまま社会から孤絶する人々を放置していいのか。前出の鎌村さんは言う。
「家族がいないのは自己責任ではない。家族がいなくても、その人らしく生きられる仕組みが必要だ」
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