大切な人の喪失「悲しみと後悔」にどう向き合うか 悲しみとうまく「距離をとる」方法は人それぞれ
ですが、この間、アルバムを整理していたところ、ランドセルを背負った孫と父が病室で一緒に撮った写真が出てきました。延命治療をしていて、苦しかったはずの父ですが、孫に向けられた瞳はとても優しいものでした。その父の笑顔を見て、延命治療も悪くはなかったかな、と初めて思いました」
心残りばかりを思い返すのではなく、亡き人に自分がしてあげられたことを振り返ったり、亡き人と過ごした幸せな時間にも目を向けたりすることで、後悔や罪悪感はなくならないとしても、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
後悔や罪悪感は、亡き人を大切に想っていたことの証の一つであり、あなたと亡き人をつないでくれているものと考えることもできます。
深く後悔することは、あなたがもう一度生き直すことにつながります。
十分に苦しんだあと、自分を少しずつ許していくことは、けっして悪いことではありません。
あなたを許すことは、あなたにしかできないことなのです。
とはいえ、どうしても許せない場合もあります。そんなときは、許せない自分を認めてあげることも大切です。
「考えない」時間も大事に 悲しみから距離を置く
亡き人のことばかり考えてしまい、何も手につかず、悲しみに暮れる日々を過ごしている人は多いのではないでしょうか。
これからの生活や先の人生を考えると、不安でしかたないという人もたくさんいると思います。
考えれば考えるほど気持ちが落ち込み、つらくなってくることもあるかもしれません。
「何も考えたくない」「すべてを忘れてしまいたい」と、何もかも投げ出してしまいたくなる日もあります。
悲しみのあまり、亡き人のことさえも考えたくないと思ってしまう人もいることでしょう。