大飛躍の国民民主「石丸伸二支持層」が支えた根拠 若年層から支持された国民民主に見た"デジャブ感"

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今回の分析から、石丸氏を支持していた層が、「変革志向」や「現状への反発」から国民民主党を支持しやすい傾向があったことがわかりました。言い換えれば、国民民主党は、石丸氏を支持していたような層を取り入れることに成功したとも言えます。

SNSウケだけの政治では、分断や混乱を招く危険性も

しかし、それらの層が重視した観点は、ポピュリズム(大衆迎合的な政治思想や活動)と通じる点があります。選挙戦でのポピュリズム的な発信の仕方はネットの相性はよく、さまざまなSNSを駆使している若年層の支持を集めることに有効ではあるかもしれません。

ただ、ポピュリズムに傾倒しすぎると、短期的には支持を集めることができても、長期的な政策の実現や社会の安定に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的な政策議論が不足し、感情的な訴えや過激な主張が優先されることで、建設的な対話が困難になるリスクもあります。

アメリカのドナルド・トランプ前大統領も、既存の政治体制への反発や変革を求める声を取り込み、大きな支持を得ました。しかし、その結果として社会の分断や政治的な混乱を招いたことは記憶に新しいでしょう。

当たり前ではありますが、今後、政治に求められるのは、オンラインでの情報発信やコミュニケーションを活用しつつも、感情的な訴求だけでなく、実質的な政策やビジョンを示すことです。

都知事選で石丸氏に熱狂していた人たちが、今回は国民民主党へとその熱の注ぎ先を変えた。その先に何があるのか、今後も注視していきたいと思います。

福馬 智生 株式会社TDAI Lab 代表取締役社⻑、工学博士

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ふくま ともき / Tomoki Fukuma

株式会社TDAI Lab 代表取締役社⻑。2021年に東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻にて博士号(工学)を取得。専門分野は計算社会科学、AIの信頼性・バイアスに関わる問題の解決。2016年に東京大学鳥海研究室発AIベンチャーとしてTDAI Labを設立。最先端AI技術を活用した研究技術開発や企業への導入支援を行う。著書に『世界一カンタンで実戦的な文系のための人工知能の教科書』(ソシム)。特技は競技ダンスで、2015年に全日本学生競技ダンス選手権で個人団体ともに全国優勝。2016年から2024年現在も子育てと経営のかたわら全日本代表選手を兼任する。

X(旧ツイッター):@fukuma_tomoki

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