過去最多掲載「ミシュラン東京2025」を読み解く 「世界で最も星が多い」東京であり続ける理由
セレクテッドは東京では設定されてまだ2年目にもかかわらず、現在227軒が選定されており、一つ星から三つ星をすべて合計した170軒よりも多い。
セレクテッドの内訳は、ミシュラン公式サイトで2023年から始まったお薦め店の「先行公開」店舗を中心に、かつて一つ星やビブグルマンだったレストラン、また、開業して年数が経っている店も順次追加されている。
セレクテッドには歴史ある店も散見され、2025年にはたとえば京橋の「シェ・イノ」(1984年開業)や銀座の「ロドラント ミノルナキジン」(2008年開業)などが新たに選ばれている。
セレクションの全体像の変化
ここで、今回の東京のセレクションから何が読み取れるか、一歩引いて全体像から見てみたい。
セレクテッドに選定されたレストランの増加で全体の掲載軒数が増えたことで、セレクション全体としては一定のクオリティのレストランを探す選択肢が広がった。
一方それと引き換えのように、ここ2年で二つ星、一つ星、ビブグルマンの軒数が減っている。
昨年(2024年)は、前年の一つ星が10%(11軒)減り、ビブグルマンが222軒からほぼ半分になった。今年(2025年)もその傾向がより進んでいる。
料理カテゴリーでいえば、イタリア料理の星つきレストランは5年前に12軒だったのが、2025年には8軒になってしまった。
フランス料理は5年で52軒から49軒へ。
注目度の高いラーメンは星つきが0軒になり、最も星のついた軒数が多いカテゴリーである日本料理も、5年前の63軒から56軒に減っている。
星が減ると、その店の料理の質が下がったのではと考えてしまいがちだが、個々の店の料理の質がこの2年で一斉に変化したとは考えにくい。
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