東京で「お金のない若者」が排除され起きている事 ディズニーも高嶺の花、カフェすら混んで座れない
だが、全体としては、以前より来場者の年齢層が上昇の傾向にあるのは、間違いないだろう。
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、コロナ禍での大幅な来場客の減少を経て、“量”を入れて収益を取る方向から、それぞれのゲストの体験の“質”を深める方向に転換することを公式に発表している。来場者を限定し、それぞれのゲストの体験の“質”を深める方向に舵を切ったのだ。
裏返していえば、廉価で多くの客を入れる方向から、少数精鋭の客により多くの消費をしてもらうのだ。ディズニーランドも、多くの人に開かれた「夢の王国」から、ひとり数万円の出費が可能な人向けの「現実の王国」になっている。
もちろん、企業が利益を追求することを否定するわけではない。むしろどんどん儲けるべきだ。しかし、短期での利益回収をもとめるときに手っ取り早いのは、ある程度お金を持っている人をターゲットにしてたくさんの消費をさせること。必然的に消費額が少ない若年層向けの選択肢は少なくなっていく。
その意味でも、全国的に渋谷で見られるような「若者の静かな排除」はひっそりと進行しているかもしれないのだ。
(なお、2025年3月期の上半期の決算では、売上高が期初予想の2579億円に対し、実績が2387億円と、192億円ほど下振れ、入園者数も期初予想を下回った。オリエンタルランド側は理由に「リベンジ消費の落ち着きなどによる旅行需要の減少による減」「猛暑による減」などをあげているが、ネット上では「高くなって、庶民には行きづらくなったからでは?」という指摘も出ている状況だ)
「静かな排除」は治安向上に役立つが…
話を戻そう。とはいえ、渋谷でひっそりと進行する「若者の静かな排除」は、仕方ない部分もある。若者がたむろすれば必然的に治安は悪くなるし、街が高級化することはその街のイメージアップにもつながるからだ。
一時的な措置ではあるが、渋谷のハチ公広場周辺では、ハロウィンでの若者のたむろを警戒して、その期間の立ち入りが封鎖されている。SNS上では評価する声が多いし、地元住民からすれば、街の治安向上につながるから必要な取り組みだ。
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