東京で「お金のない若者」が排除され起きている事 ディズニーも高嶺の花、カフェすら混んで座れない

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「渋谷から若者がいなくなった」とよく語られるが、ここを見ると、まったくそう思えない。実際、「グッド!モーニング」の取材で、次のように20代の来園者が語っている。

「行く場所が特にないときとかに、とりあえず行ってみるみたいなのはあるかもしれない。無料休憩所みたいな」

座る場所が少なく、カフェも混んでいる……そんなときに、若者たちが向かうのがMIYASHITA PARKなのだ(ここでは触れないが、そもそもMIYASHITA PARK自体がホームレス排除の問題とあわせて『ジェントリフィケーション』の顕著な例として扱われてきたが、むしろ「若年層」に注目すると反対のことが起こっている)。

若者がたむろする空間が減った渋谷

単にいまの若者がMIYASHITA PARKに集まっている、だけなのかもしれない。

しかし、かつてはもっと渋谷の全域に若者たちがたむろしていた。

私の手元にPARCOのシンクタンク「ACROSS」が2000年の渋谷を調査した『SHIBUYA 2000 REPORT』がある。これは2000年の渋谷で、どこにどのような人々が集まっていたのかをまとめていて、センター街周辺では「宇多川交番前」や「西武百貨店渋谷店A館」「HMV前(現・フォーエバートゥエンティーワン)」など若者がたむろしやすい場所がいくつかあると書いてある。

渋谷西武百貨店
渋谷西武百貨店。今ではインバウンドでごった返し、なかなか落ち着けないエリアだが、かつては若者がたむろしていたという(筆者撮影)

特にHMVの階段前については「昼間は学生、夕方は待ち合わせ、深夜は酔っぱらい、と“ちょっとした場所”として機能している」とある。「ちょっと一休み」できる場所が2000年の渋谷の屋外にはあったのだ。

また、現在はリニューアルしたが、スクランブル交差点前にある渋谷TSUTAYAがあるQフロント横の階段でも「スターバックスの屋外座席?というほど、Qフロントの横の階段で飲食を取る若者が増えた」と書いてある。

24年前の記述だからかなり古いけれど、特にセンター街を中心に、路上のあちこちで若者がたむろをしていたのが渋谷の街なのだ。しかし現在、その辺りにたむろしている人はほとんどいない。それらはきゅっとMIYASHITA PARKに集まっている。そして、その集まる面積はずいぶんと小さくなった。若者がたむろできる場所が小さくなりつつある。

先ほども書いた通り、インバウンド観光客やオフィスワーカーの街になりつつある渋谷では当然のことかもしれない。

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