実はこういったケースは少なくない。
住宅としてのコンテナハウスはまだ黎明期といってよく、専門店を謳いながら建築の専門知識が足りていない業者も存在する。この業者も住宅転用の経験がなく、普段から手がけている店舗仕様の感覚で、見積もりが甘くなってしまったのだと予想する。
Kさんの場合、運良く別の工務店に出会うことができた。
その工務店の事務所がコンテナハウスだったことから、自社に施工ノウハウがあったことと、形状をシンプルな長方形にしたことで1100万円まで予算を下げることができた(現在なら1500万円はかかるはずだ)。
私も現地で確認したが、とてもしっかりと施工されており、スペースの配分にも無駄がない。コンテナハウスは業者選びが肝心だということがよくわかるお手本のような出来栄えだった。
狭さを感じない一直線12メートルの空間
さて、ここからはコンテナハウスの空間レビューである。まず印象的だったのは、実際の数値より遥かに広く開放的な空間であったことだ。
延床面積はわずか27平方メートル、ワンルームマンション程度の広さなのだが、コンテナだけに縦に長い。さらに奥行きが約6メートル、通称20フィートタイプの海上コンテナを2つ縦につなげた結果、40フィート、つまり12メートルというとてつもない深い奥行きが生まれたのだった。これが功を奏している。
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