世界の一流が「金曜の午後3時」から始める"仕事" 週休2日を土曜と日曜に分けて考えるべき理由

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準備③ 金曜の夕方に予定を入れる

日本のビジネスパーソンには、金曜の夕方にラストスパートをかけて、仕事の遅れを取り戻そうとしている人が少なくありません。こうしたキャッチアップは肉体的にも精神的にもダメージが大きく、休日をボロボロにする原因となります。

友人と会うとか、スポーツジムに行くなど、休日の予定を金曜の夕方に前倒しすることによって、土日の自由度が高まります。ムダな残業を増やさないだけでなく、休日が金曜の夕方から始まる……というメリットを生み出すことができます。

世界の一流ビジネスパーソンなど、仕事ができる人たちは金曜の夕方に仕事の達成感を得ます。彼らは金曜の夕方に、平日と休日の切り替えスイッチが入れることで、肉体的にも精神的にも休日モードに入ります。

一方、仕事で成果が出せない人は土曜の朝に徒労感を感じて、そこから休日モードに入る傾向があります。この違いが、仕事の成果にもハッキリと現れているように思います。

金曜の仕事を「中途半端」に終わらせる理由

世界の一流ビジネスパーソンが、金曜の午後に仕事を追い込むことはありません。週末が近づくと、疲れやストレスが蓄積するのは誰でも同じですが、彼らはここで無理をせず、意図的に仕事を中途半端に終わらせることで、翌週の作業効率を高める工夫をしています。

その理由は、「ツァイガルニク効果」の存在にあります。

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ツァイガルニク効果とは、旧ソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが提唱した心理効果で、「人は達成した事柄よりも、未完了な事柄の方が記憶に残りやすい」という現象を指しています。

行動経済学では、中途半端な状態で作業を中断すると、それが気になって仕方がなくなり、その欲求を満たすために、素早く行動する……といわれています。

彼らは、あえて仕事を中途半端に終わらせることで、月曜日の初速を意図的に高めているのです。

金曜に仕事を詰め込まないことは、心身の負担が軽くなるだけでなく、翌週の作業効率を高めることにもつながります。彼らは日常的に合理的な働き方を意識しているから、無理なく休日を楽しむことができるのです。

越川 慎司 クロスリバー代表取締役

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こしかわしんじ / Sinji Koshikawa

通信会社、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に株式会社クロスリバーを創業。ムダ取りコンサルタントとして800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。著書に『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)ほか多数。

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