飲食店で「露出テロ」迷惑客の投稿変遷に見る危機 公共の場で下着を出す、悪質客に企業ができる対策

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このように考察してみると、一連の露出テロはアテンション・エコノミー(関心経済)の観点から論じたほうがいいように思える。動画で言えば「迷惑系YouTuber」のように、過激なコンテンツで注目を集め、それを元手に商売につなげる素地になっているのではないか。

そう考えると、以前の客テロには、まだ世間知らずゆえの無邪気さがあったように思える(とはいえ許されるものではない)。今回の露出テロは、企業に与える「実害」としては少ないかもしれないが、こういった形でニュースになることを望む企業は存在しないだろう。

そう考えると、今回の「露出テロ」は、悪い意味で迷惑行為を次のステージへ進めてしまったとも言えそうだ。

迅速かつ適切な対応が求められる

これ以上エスカレートしないために、早期に取れる術はなんだろうか。

衛生面であれば、回転寿司チェーンで「ガリ」を個包装にするなどの対応を取れるが、撮影への対応だと簡単にはいかない。しかしながら、店内撮影を一律禁止としてしまえば、「チェーン店なのにハードルが高い」と思わせてしまいかねない。ドレスコードの設定も同様に、一般的な外食チェーンでは非現実的だ。

飲食店を襲う露出テロの脅威を前に、おそらくルール設定や、業務フローの改善では対処しづらいだろう。見せしめなどによって、いかに「撮りづらい雰囲気」を醸成できるかに、今後の行方は左右されるように思える。

まずは今回の現場となった各店舗が、厳然とした対応で、見解を出すことが第一歩になると考えられる。声を上げることは、手間もかかる上に、「客を選んでいるように感じさせるのでは」とブランドイメージから避けたい場合もあるだろう。

しかし黙り続けることで、一般消費者からは「黙認するのか」と非難され、迷惑客や模倣犯にも「この店は甘い」と隙を与えることになるのではないか。その点において、三田製麺所の反応はスピーディーだった。

「公共の場で下着を出す行為に、模倣犯もいないだろう」と思う人もいるかもしれないが、公共の場で露出する人の心理や行動を、企業側が予想するのは困難だ。場合によっては、業界団体が代弁してもいい。迅速かつ適切な対応ができるか否かが、今後の試金石になるだろう。

城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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