飲食店で「露出テロ」迷惑客の投稿変遷に見る危機 公共の場で下着を出す、悪質客に企業ができる対策
テレビ番組などにも取り上げられる事態となり、USJの公式SNSも「公序良俗に反する服装やパークにふさわしくない過度な露出はお断り、退場いただく場合があります」と注意喚起を行った。
飲食店での客テロ事案で言えば、2023年初頭に話題となった「寿司テロ」は、読者の記憶にも新しいだろう。なかでも知られているのが、「スシロー」店内で撮影された、しょうゆボトルや、湯飲みをなめた動画だ。店舗ではあらゆる器具の洗浄・交換を余儀なくされ、一時は約6700万円の損害賠償請求訴訟が起きるまでに発展した(後に和解・取り下げ)。
同時期には「はま寿司」や「CoCo壱番屋」「資さんうどん」などでも、客による不衛生な動画が撮影され、SNS上で拡散し、問題となった。いずれの場合も、店は清掃のみならず、無料トッピングの提供形態などを変更する必要に迫られた。
これらのケースと、今回の露出を絡めて、SNSでは「なんら変わらない」「承認欲求を満たすためなら、なんでもやっていいと思っているのか」といった疑問の声が多々上がっている。
客テロブームとの相違点は?
「炎上ウォッチャー」の視点からすると、今回の「露出テロ」と「客テロ」には相違点も多々ある。まずは衛生面だ。
1年半前に話題になった客テロでは、共用の調味料を汚すなどの特徴があった。こうした行為には、心理的な嫌悪感に加えて、病気などの感染リスクも生じる。また、当時はまだ新型コロナウイルスの5類移行前だったこともあり、より警戒感が募っていた背景もある。
加えて、被害の矛先が「他の客」に向けられている点も大きい。もちろん店舗にも影響はあるのだが、リスクを直接負うことになるのは、飲食をする客のほうだ。女性たちを擁護するわけではないが、今回話題になっている露出は、死角で行われれば気づかれない。なお当然ながら、他の被害者として、「タイムラインに流れてきて不快感を覚えたSNSユーザー」がいることを忘れてはならない。
そして、一番の違いが「迷惑行為を行う動機」だ。前回の客テロブームは、いずれも「仲間内の悪ふざけ」の延長線にあった。10年ほど前の「バカッター」「バイトテロ」から続く、SNS炎上の王道とも言えるスタイルだ。
しかし、露出はそうではない。アピールする相手が「身内」ではなく「第三者」に設定され、いかに興味関心を引けるかに、力点が置かれているように感じられる。そこには、「エロで釣って、その影響力を利用したい」という野心が見え隠れする。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら