就活後半戦は、「ハローワーク」を活用せよ 内定率が高くても焦りは禁物

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明治大学は9月3日に「キラリと光る、優良企業に出会う」というタイトルの合説を開催した。単に採用が進んでいない中小企業を集めるのではなく「ニッチな分野ではあるが、国際市場に於いて高いシェアを持ち、良好な経営をしている中小企業を学生に紹介する」とのコンセプトで開催された合説だ。

参加企業は経済産業省が選定した「グローバルニッチトップ企業100選」の中の10社。電子顕微鏡で世界シェア7割の日本電子や、錠剤コーティング装置で世界シェア2割のフロイント産業、複写機メーカーが使用するテストチャーチで世界シェア10割の水上印刷など。いずれも知名度は高くないが、技術力が高く、ニッチ分野では世界シェアの高い優良企業ばかりだ。

全国の優良企業が集結

「学生のための合同企業説明会」での企業説明のようす

「採用予定数の半分しか採用できていないので、早く人数を確保したい」と焦る企業もあったが、計量器メーカーのイシダの採用担当者は「8月中旬にいったん採用活動を終了した。内定辞退は1名しかでていないが、優秀な学生がいれば採用したいと思って参加した」と言う。また、軸受けに使用する「ころ」を生産している東振精機の採用担当者は「北陸地区の学生でほぼ採用は確保したが、東京地区の学生も採用したい」ということで、本社のある石川県からやってきた。

内定数が予定に達していても、いい学生がいればさらに採用したいという企業が少なくないことに驚いた。8月1日の選考開始から1カ月以上たつが、学生にとってまだまだチャンスはあるようだ。

参加した商学部の学生は「サービス業の内定を持っているが、メーカー志望なので正直行きたくない。今日は技術力のあるメーカーが参加しているので出席した」と言う。

明治大学では「グローバルニッチトップ企業100選」を対象にした説明会を10月以降にも開催する予定だ。

優良企業であっても、知名度が低いために学生が集まらず、いまだに採用活動を続けている企業は少なくない。そして多くの大学のキャリアセンターは1人でも多くの学生を就職させようと、さまざまな策を講じている。周囲に内定獲得者が多くとも悲観することはない。

(撮影:尾形文繁)

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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