日本では、白内障というと高齢者がなる病気というイメージが強いかもしれません。これは、白内障の主な原因が加齢だからです。水晶体は、老化と共に水分が減り、水晶体を構成するタンパク質が変性して、徐々に濁っていきます。
しかし実は、白内障は紫外線や喫煙、肥満といったこととも関係しています。そのため、近年、白内障は、発展途上国の40代からの比較的若い世代でも患者が急増しているのです。
ミャンマーで白内障が多い理由は、まずは、紫外線。次に、喫煙です。ミャンマーではタバコが安く、1本からバラ売りをしています。こうしたことの影響か、15歳以上の喫煙率が7.7%と、周辺諸国と比べてもかなり高い状態です。そして最後は、肥満の問題です。ミャンマーでは米を日本の約3倍も消費している上に、糖分の多い清涼飲料水やお菓子などを多く摂取する食生活になってしまっています。
そのせいで、肥満や糖尿病が問題になっています。こうした要因が重なり、ミャンマーでは白内障に苦しむ人々が増えているのです。
どうすれば白内障を予防できるか
そうした状況を受け、服部匡志医師と、白内障手術に必要な眼内レンズを製造しているロート製薬と共に、一時的な援助ではなく、現地に根付いた形で、失明を予防する取組みができないか、考えました。
白内障はミャンマー政府の最優先課題としても位置付けられていることから、少し前であれば、このような取組みは政府開発援助を通じて取組んでいたでしょう。
でもミャンマーのような経済的に発展しつつある国には、一定数の富裕層もいます。すべてが援助という形でなくても、民間事業として実施し対価を得ることで、貧しい人々に対しても診療を施せる持続的な取組みが可能ではないか。
それこそが、一時的な一方的な支援ではなく、よい循環、持続可能な支援になるのではないかと考えているのです。
このような試みは世界各地で応用できるはずで、どういう風に展開していけているのか、引き続きレポートしていきたいと思います。
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