今回は、私が3年ほど前から携わっているミャンマーの白内障プロジェクトに関するお話をしたいと思います。
突然ですが、皆さんは「真っ暗な世界」を体験されたことがあるでしょうか。私は大学生のとき、教職員免許取得のために訪れた視覚特別支援学校で真っ暗な世界を体験したことがあります。
真っ暗な世界の怖さ
学校でのプログラムで、私に課せられたミッションは、アイマスクをつけて学校から池袋駅まで電車に乗って帰ってくるというものでした。
いきなり真っ暗な世界に放り込まれた私は足がすくみ、校内の障害物のない真っすぐな廊下をただ進むだけとわかっていても、壁伝いに一歩一歩足を出すのが精一杯でした。ましてや、一日55万人もの人が行き交う池袋駅で電車に乗るなどといったらもう半分パニック状態でした。
付添いの人にしがみつきながら、なんとか電車に乗ったことが、本当に強烈な記憶として残っています。
この体験によって私は、視覚障害者が生きやすい社会の実現と、眼が見えなくなる人をひとりでも減らしたいという想いを強く抱くようになりました。
それから十年ほど経って、いろいろな方のご縁で、ミャンマーで白内障患者を救うプロジェクトに携わることになります。
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