ミャンマーにあふれる「タナカさん」とは? 紫外線から肌を守る、ヤンゴン女子の必需品
ミャンマーの最大都市ヤンゴンといえば、高層ビルもショッピングセンターも建ち並ぶただいま発展中の都市である。ミャンマー自体はビルマ族が60%、残りは少数民族の多民族国家だ。熱帯モンスーン気候で日中平均気温は、27.5度。雨季前には37度まで気温が上がる。暑いからか、ロンジーといわれる筒状の布をスカートのようにはく男性の姿もよく見かける。
そんなヤンゴン、街中を歩いていると、あら?と驚くことがある。一目見てわかる、「タナカさん」だらけなのだ。タナカといえば、日本の苗字ランキング4位という不動の地位を築いているが、ヤンゴンでお目にかかれるのはその「タナカさん」ではない。
ミャンマー女子はなぜタナカを塗る?
タナカ(thanaka)とは、ミャンマー熱帯地方に生えるミカン科ゲッキツ属の木の名前。で、小さな子供から、スーツ姿のビジネスウーマン、そしておばあさんまで、みんなと言っていいほど、このタナカの木のエキスを顔に塗っているのだ。
そのタナカっぷりたるや、「えっ、何それ? 恥ずかしくないの?」と思わず聞きたくなるほどの目立つ塗り方。たとえるなら、Jリーグの試合前にサポーターが施す「フェイスペインティント」みたいなのだ。
ミャンマー女子はなぜ、タナカを塗るのか。その効果効能は、
などいろいろとあり、どうやら美容にも健康にもよさそう。タナカを「美白の木」と呼ぶ人もいるほどだ。
現地の女子に聞いてみれば、「タナカは、紫外線から肌を守るし、肌の油分も調節してくれる。私はオイリー肌なので必要不可欠だと思っています」という人がいれば、「田舎っぽいから、最近私は家の中でしか塗らなくなったけど、暑いときに塗ると涼しくて気持ちいい。手にも塗ります。タナカにライムを少し入れて顔に塗ると、顔が柔らかくなるの」という人もいる。
ほかにも、「ミャンマーには、タナカを塗る女性の美しさを表す歌もあります」「化粧下地に使う人もいます」などの声が聞かれた。用途もそれぞれで、なかなか奥深い。中でも、日焼け止め用途で使っている女性がいちばん多いようだ。
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