中国の国家主席も、健さんが大好きだった

中国人の、高倉健への共感を大切にしたい

映画「ホタル」を見た高校生と語る高倉健さん(写真:共同通信)

前回のコラムでは、「なぜ中国はヒステリックになったのか」を書いたところ、日中双方の友人から大変な反響があった。納得できないという読者もいらっしゃるかもしれないが、たまたま出張で中国に滞在したこともあり、中国人の友人から、「よく言ってくれた」という言葉をたくさん頂戴した。

国家主席も、健さんが大好きだった

さて今回は、前回私がコラムを書いていた11月10日(掲載日は11月11日)に起きたことについて、書かせていただきたい。一言でいえば、中国人が最も愛した日本人・高倉健さん(以下、日本人が親しみを込めて言う、「健さん」と表記、一部除く)が亡くなったことである。くしくも、この日はAPECの席上で3年ぶりに日中首脳の会談が実現したが、同じ日に、健さんが亡くなっていたのだ。

無論その事実は、安倍晋三首相も習近平国家主席も、知る由はなかった。11月27日付の東洋経済オンラインのコラム「中国人も熱狂、高倉健さんの「生きる流儀」で佐藤智恵さんも触れていたが、11月18日、中国外交部は健さんの死を悼んで特別声明を発表した。外交部の洪磊報道官の声明はこうだ。「高倉健先生は中国人民が良く知る日本の芸術家であり、中日文化交流促進のために重要で積極的な貢献を果たした」との異例の哀悼声明であった。

私は日本に戻ったのだが、東京にやってきた中国のレアアース関係の訪日団との宴会で、健さんの話題が中国で大ブレークしているという話を聞いた。55歳の訪日団長は興奮してこんな話をしてくれた。

故・胡耀邦国家主席が日本人学生や文化人を中国に招いたのは1984年頃。当時、歓迎式典で健さんと中野良子さんに会ってサインをもらったが、それらは、今でも大事に保管されている、というのだ。われわれ日本人にとっては「へー」という程度の思いしかない。だが中国人にとっての健さんや中野良子さんへの思い入れは、特別の感情があるのかもしれない。

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