「今、ここで暮らしているのは、似たような年代で、一人暮らしに不安を感じて、何かつかまりどころというか、人のつながりを探していた人たちです。老化は誰も通る道として衰えをわかり合い、認め合いながら、皆が皆を“見守る目”になっていける。そういう雰囲気作りをすることが、理事長の私の役割だと思っています」
自分を見守ってくれる目があり、自分も誰かを見守る目になる。気になることは事務局スタッフに伝えて情報を共有し、必要に応じて福祉につなげていく。
おでんせができてから9年。最初から入居していた人たちも同じだけ年を取った。すべて自分たちだけで暮らすことは難しく、公的な支援を受ける人も出てきているのが現実だ。
度重なるケガも事なきを得た
実は小森さんは今年1月の早朝、室内で転倒し、左ひざの皿を割ってしまった。
「ベッドで寝ていたら、『小森さ~ん』と呼ばれた気がして、寝ぼけ眼のままベッドから降りようとしたら、脚がもつれてしまって……(笑)」
その3日後、室内で杖を突きながら移動しているとき、杖の先が滑った拍子に転んで、右手首を骨折。どちらの場合もオーナー夫妻に電話をし、すぐに駆けつけてもらって事なきを得た。
65歳以上の一人暮らしが増加し続けている日本。ゆるやかな共同生活のもとで助け合い、必要な支援を受けながら終末までできるだけ自立した生活を送る。56年の一人暮らしの結実として、小森さんはグループリビングを選んだ。
「私の最後の生きる場として最高の出会いです」
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