忙しい時つい見失いがちなビジネスの鉄則とは 起業家として大成功したミュージシャンの教え

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人は誰しも、それぞれの物差しで自分を評価しているものだ。

それは「お金をどれだけ稼いでいるか」というシンプルな物差しかもしれないし、「どれほど多くの人の人生によい影響を与えることができたか」ということかもしれない。

自分にとって一番大切なものは?

価値観が異なるわけだが、シヴァーズの場合はそれが、「人の役に立つものをどれだけつくっているか」だったわけだ。

曲であれ、会社であれ、ブログ記事であれ、ウェブサイトであれ、僕は何かをつくることで、誰かの役に立ちたい。人の役に立たないものをつくっても、僕にとっては何の価値もない。
(60ページより)

一方、なにかをつくる際には、自分の想像力を発揮したいとも考えているそうだ。そうでないものは、つくりたくないとも。そして、そのような信念があるからこそ、こうも提案するのだ。

自分自身を評価するとき、何を一番大切にしているか、考えてみよう。
(60ページより)

この点を事前に知っておけば、他人が求めてくる物差しに振り回されることなく、「自分にとっていちばん重要なこと」に注力できるようになるからだ。

すべてのビジネスパーソンにとっての指針

さて、ここまでお読みいただければ、冒頭で「音楽産業の枠を超え、ビジネス全般に応用できるものばかり」だと述べた理由をご理解いただけるのではないかと思う。

たしかに、ここに展開されているのは「ひとりのミュージシャンが自分の音楽を広めるためにやったこと」の顛末である。

しかし、シンプルかつ情熱的に書かれた文章の根幹をなすものは、ビジネスを行ううえで必要不可欠なものばかりだ。

だからこそ、これから起業したいと考えている人、いや、それだけではなく、すべてのビジネスパーソンにとっての指針になるのである。

しかもスラスラ読めてしまうこともあり、何度でも読み返したくなるはずだ。

事実、私は数カ月前に本書が発売されてから、すでに3回ほど読み返している。

そこまでする必要はないのかもしれないが、ぱらぱらとページをめくり、目についた部分を読むだけでも「なんとなく力が湧いてくる」からだ。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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