模試1位でも「東大不合格」解き方でわかる"要因" 合格確実だと思ったのに、うまくいかないなぜ

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いかがでしょうか?このエピソードは、「いかに頭がいい人でも、試験戦略がないと不合格になってしまう」ということを示しています。

たいていの試験は、満点を取らなければ合格できないわけではありません。それは東大入試でも同じことが言えます。東大入試は6割程度で合格ラインなので、逆に言えば残りの4割は落としてもOKということになります。

そして合格するためには、頭がいいことは前提として、「いかに点数を稼ぐか」を戦略的に考える、頭の柔軟さが必要になります。

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難しい問題があったら「この問題は難しいから後回しにしよう」と考えたり、時間をかけすぎてしまっている問題があったら「まずいな、ちょっと一度飛ばして、次の問題を解いてから戻ってこよう」と考えるのです。

満点でなくていいということは、問題によっては部分点を狙いにいくだけで、時間をかけすぎなくてもいいのです。試験時間の中で、さまざまな材料を判断基準にして、「どこで点数を取るか」「どこで点数を落とすか」を考えていく必要があるわけですね。

ペンの音を聞いて試験の難易度予想も

この判断基準は、人によってさまざまです。僕は以前、東大理3に合格した友達から衝撃的な話を聞いたことがあります。それは、「試験時間中、どれくらい周りの人がサラサラとペンを動かしているのか、ペンの音を聞いて、その年の難易度を予想していた」という話でした。

試験中に耳を澄まして、ペンが止まっている人が多そうな科目は難しいので平均点が下がる可能性があり、ペンを動かしている人が多そうな科目は簡単なので平均点が上がる可能性がある。

平均点が下がりそうな気配があれば、手堅く点を取ることに集中して、点数が取れそうな1問に時間をかけていいと判断し、逆に平均点が上がりそうな気配があれば、どんどん問題を解くべきだと判断して1問に時間をかけないようにする。このように戦略を立てて、試験問題を解いていたそうです。

ただ問題を解けるようになるだけではダメなのです。試験時間をどう使うか考えることで、合格不合格は大きく変わってきます。

今年も受験シーズンが近付いてきましたが、今のうちから試験戦略をしっかりと立てて、問題を解くことに慣れていただければと思います。

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西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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